気象予報士テンキューラー 桜の花に想いを寄せて

「春は名のみの 風の寒さや~♪」

この時期になると、早春賦の歌が頭の中グルグルで回り始めるのは、私だけでしょうか?

目に見えるものは、どんどん春めいていきますが、まだ時おり風の冷たさを感じる頃ですね。風が冷たく感じるのは、もしかしたら、春のファッションを先取りした日に限って、お天気がついてきてくれなかったのかもしれません。季節の歩みは、3歩進んで2歩下がるイメージ。行きつ戻りつ季節は廻ります。春は、その変化がとても大きい時期です。さらに、出会いと別れの季節でもあり、イベントも盛りだくさん。服装選びは毎日慎重になりますね。

さて、3月下旬頃からは、いよいよお花見シーズンです。でも、この時期はまだ寒くなることも多く、そんな日は「花冷え」とも言われます。また、桜の花の淡いピンク色が曇り空に映える様子から、この時期の曇り空を「花曇り」。春風に吹かれて桜の花びらがちらちらと散って、川面に浮かんでいる様子を「花いかだ」などと言います。桜になぞらえた美しい日本語と桜の花を愛でる日本人の風習は、海外の方々からも素敵ですね、と言っていいただいたことがあります。ぜひ、海外からの多くのお客様にも、日本の桜の美しさをご堪能いただきたいなと思います。

桜は、開花からおよそ1週間ほどで満開を迎えます。その間のちょうど週末の天気の良い日が「絶好のお花見日和」ともいえるでしょう。でも、なかなか都合よくいかないのが天気です。寒さに震えながら、もしくは冷たい雨に濡れながら、さらには、強風にレジャーシートを飛ばされそうになりながらのお花見を経験されたことはありませんか?天気と相談して、無理のないお花見計画をしたいものです。

例えば、雨雲の動きを予想しながら、雨の降らないお花見スポットをチョイスするのは、気象予報士の腕の見せ所ともいえます。もしくは、お花見の予定を次の週末にずらして、ちょっと遠出をしてみるのもおススメです。その際は、「桜前線」に沿って、少し北の方か標高の高い方へ移動することになります。例えば、東京都心でお花見をしそびれてしまった場合は、翌週末に北陸まで足を延ばしてみると、また違ったお花見を楽しむことができそうです。2~3週間ずらして、東北地方まで桜前線を追って旅行をしてみるのも素敵ですね。北海道では、5月の大型連休の頃から桜が咲き始めます。北海道の春は一気にやってくるため、桜だけでなく、梅やチューリップなどもいっぺんに楽しめる、まさに「百花繚乱」です。

この春、南北に細長い日本列島ならではの、「桜の花を追う旅」などは、いかがでしょうか。そんな時は、TNQLをフル活用して、天気と仲良くオシャレに旅を楽しみたいですね!