2020年の桜前線は、ホワイトデー頃を境に、順々と開花の兆しを見せていく予想です。
となると、今年は全国的に平年よりかなり早めに、淡いソフトピンクの街並みが広がることになります。
自然界では桜に限らず、草木の新芽や若葉、花の絨毯がカラフルな色を帯びていくこの頃。
人が行ずるホワイトデーといえば、いまだ冬の余韻を引きずっているかのような名称が付いていますね。
もしも、“ホワイトデー”の名前の通りに、空が再び白く染まったら、つまり雪が降ったら少しだけロマンチックな気がしませんか?
本記事では、「ホワイトデーに雪が降る実現性はどれくらいあるのか?」という主旨のもと、特に雪の確率が低い“関東から西の主要都市”について調査していきます。
雪と雨の分かれ目について
3月14日頃の最低気温の平年値は、東京で4.0度、大阪は5.2度。
これでは、キリリと空気が張るような冷え込みのうちには入らないと思われるかもしれません。
一般的に、地上で雪が降る条件としては、次の2つのポイントが挙げられます。
① 上空1500m付近の気温がマイナス6度以下であること
② 地上付近の気温が3度以下であること
とはいえ、上記はあくまでも目安。実際に雪が観測されるかどうかは、相対湿度や雪の性質なども鑑みなくてはなりません。
空気が乾燥していると、雪の表面から水蒸気が昇華し雪片を冷やすため、地上付近が5~9度以上でも雪になる場合があります。
反対に、地上付近の気温が0度未満であっても、空気の「逆転層」が形成されていれば雨になることが予想されます。
逆転層とは、気温の変化が通常とは反対に、地上から上空にかけて高くなる現象のことです。
上空の暖かな空気によって雪が解け、そのまま雨として地表に降り注ぐケースなどがそれに当たります。
これらのことから、ホワイトデーに雪が降るためには、必ずしも気温だけに捉われる必要はないと考えられるでしょう。
ホワイトデーに雪が降る実現性
実際に、平年値の統計期間である過去30年間(1981年~2010年)において、ホワイトデーに雪が降った年をピックアップしました。
なお雪の確率が低い太平洋側を中心に、関東から西の主要都市を取り上げ、最低気温・湿度と合わせて記してあります。
以上の表をまとめると、ロマンチックな“ホワイトデー”が実現する確率は、概ね次の通りになります。
【東京・福岡】10%
【横浜・大阪・広島】6.7%
【名古屋】3.3%
東京と福岡では、10分の1の確率で白い雪が舞うホワイトデーに。最もレアな出現率となったのは、3.3%の名古屋でした。
なお、6.7%となった3都市のうち、横浜では1984年に降雪9cm・積雪8cmを記録しています。
この日は低気圧が関東地方の南(八丈島付近)を進み、冷たい北東気流が関東平野に流れ込んだことが、積雪を増やす要因となりました。
太平洋側においてホワイトデーをホワイトたらしめる存在は、本州の南岸を進む低気圧や前線のほか、銚子沖で発生する低気圧などが考えられます。
春先は低気圧がさまざまな進路を取るため、思わぬ雪に出会う確率も低いながらに持ち合わせているのですね。
余談ではありますが、自然の本質というのはどこか天の邪鬼で、人が空を見上げるタイミングもいつだってバラバラです。
本当のところは、“その人だけが出会える空”という観点を抜きに、気象(真理)の全貌を語ることはできません。
極論を言えば、ホワイトデーを楽しむカップルだけが見る雪も、世の中には存在する可能性だってあるのです。
さて2020年のホワイトデーにおいては、どのような空模様が展開されるのでしょうか。
近年では雪の観測がめっきり減っている上に、今年もこのままの調子では……?
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