お城が桜の名所になった理由は?美しい名城ベスト3も紹介。

暖冬の名残を受け、2020年は桜の開花が例年以上に気ぜわしくなっています。
そのくせ、新型コロナによる花見自粛の影響から、今頃は桜の木々も拍子抜けしてしまっているのかもしれません。
どうやら今シーズンは、桜鑑賞のあり方に新しい糸目をつける必要がありそうです。

最も安全なのは、人と“集わない”、家から“外出しない”などの制約を設け、静かな花見を楽しむスタンスでしょうか。
今年は、自宅で桜を満喫するための生花セットや、定点カメラの映像をアプリで見ることができるVR(仮想技術)サービスにも注目が集まっています。
一方、桜の名所に留まるのではなく、歩きながら木々を鑑賞する“散策型の花見”もおすすめです。

そこで今回は、フォトスポットとしても万能なお城を背景に、桜の絶景が楽しめる名城ベスト3をご紹介します。ぶらり歩きをするだけでも、桜の美しさがすっと心に染み入って、花見気分を堪能することができますよ。

┃お城が桜の名所となった背景

凛とした潔さや儚さを感じさせる桜には、武家の栄衰や精神とも通じ合うドラマがあります。
それゆえ日本人は、お城と桜を囲った情景に、和の心を掻き立てられてしまうのかもしれません。
ただ意外にも、桜は当時の武士にはあまり好まれず、どちらかというと庶民側に寄り添い続けてきた花でした。

桜は一説に、田の穀霊である「さ」と、神の御座を指す「くら」が結びついた言葉だと考えられています。つまり桜は、田の神が宿る樹木として農耕民から崇められていたのです。
その昔、豊作を祈願して行われた神事が、後の花見に発展したとも捉えられています。

実は、桜の木が武士道を象徴するようになったのは明治以降のこと。
1873(明治6)年に廃城令が施行されるまでは、お城に桜が植えられることもほとんどありませんでした。
というのも実用的なお城では、視界を遮る樹木が植えられるほど、戦況に不利となってしまうからです。
植えたとしても、松明や修理などに利用できる数本のみだったといわれています。
それが明治時代に、お城の多くが取り壊されたり、民間に払い下げられたりして初めて、桜の木が植えられることになりました。
桜は、他の多くの花と違って、下向きに花弁を着けるのを特徴としています。人々は古来より、そんな桜の鑑賞しやすさやいじらしさを、何よりも貴んできたのかもしれません。

┃美しい桜が望める名城ベスト3

1位:【兵庫県】姫路城
全国随一の花見スポットとして名高く、世界文化遺産にも登録されている姫路城。優美な白い城壁を持つことから、“白鷺城”の愛称で親しまれています。姫路城では、ソメイヨシノを中心に、シダレザクラやヤマザクラなどの約1,000本の桜を眺め楽しむことができます。例年の見頃は3月下旬~4月上旬で、今年は開花が早まりそう。夜間のライトアップを含め、絵画のような色彩と世界観はまさに圧巻の一言です。

2位:【青森県】弘前城
弘前城の敷地に広がる弘前公園は、津軽の春を堪能できる絶景スポットです。公園内では、ソメイヨシノを中心に、シダレザクラや八重桜などの約2,600本の桜が、所狭しと咲き乱れます。例年の見頃は4月下旬~5月上旬ですが、今年の桜前線は急ぎ足に進む予想。弘前城を巡る濠の水面では、散った花びらによる“花筏(はないかだ)” や“桜の絨毯”が、幽玄の世界を作り出します。

3位:【熊本県】熊本城
日本三名城の一端を担う熊本城は、県内有数の“さくら名所100選”スポットです。城内ではソメイヨシノやヤマザクラ、ヒゴザクラなどの約800本の桜が、雄大な天守閣を讃えるように咲き誇ります。例年の見頃は3月下旬~4月上旬で、今年の開花はまもなくの予想。夜桜鑑賞では、いっそう幻想的な熊本城とのコントラストを楽しむことができます。

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夜桜のライトアップを楽しむ際にも、リコメンドされる服装案を参考にお出かけください。

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