第1回WDMS:株式会社ルグラン「気象ビッグデータの活用で実現する新たなマーケティングとは」


 2018年6月20日に開催された『第1回Weather Driven Marketing Summit』では、総合気象会社のパイオニアであるハレックス株式会社さま/世界最大規模の気象会社であるザ・ウェザーカンパニーやAIソリューションを保有する日本IBM株式会社さま/クリエイティブな提案を得意とする大手広告代理店である株式会社大広さまの皆様に、今後の気象データの活用について講演をしていただきました。

第1回Weather Driven Marketing Summitの様子について、各講演内容を4回に分けてお届けいきます。

4週目は、株式会社ルグラン代表取締役である泉による講演のレポートです。

 弊社では、2017年5月より気象データを活用したファッションテックサービス『TNQL(テンキュール)』を独自に開発・提供しています。
TNQLは、その日のお天気にあわせた最適なコーディネートをレコメンド提案してくれるサービスです。その気象データを活用してコンテンツをレコメンドするシステムを活用することで実現する「Weather Driven Marketing」についてご紹介いたします。

◼TNQLについて

まずはTNQLがどのようなサービスか改めてご説明いたします。TNQLは気象データを活用したファッションテックサービスで、天気・気温などのその日の気象条件に合ったコーディネートをレコメンド提案いたします。

気象データについては、日本全国を約1キロメッシュに細分化し、約40万地点でデータを取得しているため、現在地・家・勤務地・旅行/出張先など、調べたい地域の気象情報をリアルタイムに取得することが可能です。
また気温帯・午前/午後の降水量・ファッションスタイルの組み合わせから、約800パターンの中から最適コーディネートをレコメンドいたします。

その他にも「コーデログ」という機能を実装しており、その日に着たコーディネートをカレンダーに保存できます。

この機能があることで、いつ・どこで・どのような天気の時に・どのような服装をしていたのか、振り返ることができるようになります。

◼Weather Driven Marketingについて

気象は、インフラや流通、生産・販売、レジャーや購買活動など、あらゆる産業や人々の生活行動に多大な影響を与える要素です。

一方で、平成27年版 情報通信白書によると、気象データの分析を行っている民間企業の割合は1.3%程にとどまっているというデータもあります。
それは、気象データをどのように活用したらわからない・気象データといってもどのようなデータがあるのかわからない、といった背景があるのではないかと考えられます。

そこで弊社では、TNQLのように気象データを”ファッション”というアウトプットで提供しているサービス開発のノウハウやTNQLで蓄積したデータを活用し、天候ドリブンなマーケティングである「Weather Driven Marketing」を推進しています。

では、「Weather Driven Marketing」で実現できることはどんなことなのか?
分かりやすくファッションを例にご説明します。

「コートの需要」と「最高気温の推移」という観点で見ると、コートを選択する人が増える目安は15℃というデータがあります。日本のような縦長の国では、

15℃に達する時期が北海道だと10月下旬なのに対し、東京では11月下旬になります。なので、例えば店舗のVMDやECなどでも、北海道と東京で同じタイミングで商品をレコメンドするのではなく、気象と商品がマッチするタイミングでレコメンドすることにより販売促進効果が見込めます。

上記のように、ファッションだけでなく様々なコンテンツやプロダクトで、地域・気象・ニーズを連動させて市場へ届けることを「Weather Driven Marketing」で実現することができます。

 

◼Weather Driven Marketingが解決を目指す課題

課題①:気象データ×コーディネート情報を活用したメディアの活性化

天気情報は、ユーザーが毎日見たくなる情報です。その天気情報にプラスして、コーデ情報や特定の天気に関連した記事(雨の日のメイク記事など)をユーザーにレコメンドすることにより、メディアの活性化が期待できます。

 

課題②:消費者の琴線に触れる商品開発や販売方法の模索

天気に連動したコーディネートをレコメンドするだけでなく、実際に類似商品などの販売機能を実装することで、消費者のニーズにマッチしたタイミングでの販売方法を実現することが期待できます。

 

課題③:データの活用やシステム環境の整備に必要な環境・ツールの提供

気象データと連動した販売データや人々の行動データを分析することで、新たなマーケティングデータとして活用することが可能になります。

また天候ドリブンなマーケティングを実現するツールを提供することで、Weather Driven Marketingの導入ハードルを下げ、より多くの企業・サービスに活用していただくことを目指します。

 

 

気象データを活用することで、これまでとは違ったマーケティングが実現でき、ユーザー満足の向上や売り上げ貢献など、様々な効果を期待できます。

気象データの活用や新たなサービス開発など、新しいお取り組みをお考えであれば、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

気象データを活用して、新たなマーケットを一緒に切り開いていきましょう!