活用すべき気象の”中長期予報”


春爛漫の4月ですね。振り返ると、3月は例年に比べて気温が高くなりました。

汗ばむような暑い日の翌日、職場近くのコンビニに行くと、おそらく今年初の冷やし中華が陳列されていました。

ほほう、気象情報を考慮した商品構成がなされているのだな、と思いつつ、店の思惑通り、まんまとその冷やし中華を手に取ってレジに向かったものです。

ところで、気象情報には1週間先の予報以外に、2週間先、1か月先、3か月先を対象とした”中長期予報”があります。

予報を利用して、店舗の品揃えを変えたり、電力の需要を予測したり、様々な産業の分野において気象情報の活用が進むなか、この中長期予報は、まだまだ活かされていない情報のように思えます。

中長期予報は”傾向”を把握するための予報なので、1か月先まで日々○度になる、という予報ではありません。ただ、利用する側は、○月○日に何℃になるか、当日の”状態”が知りたい!というニーズが大きいので、”傾向”を示されてもピンとこないし、使いづらい。また、産業の分野で中長期予報を利活用する目的は、先々の需要を見据えた生産計画など動くお金が大きいことが多く、外れた場合の損失を考慮すると、活用までのハードルが高くなるのかもしれません。

中長期予報の活用を進めるには、情報提供側は、利用者の目線から長期予報の精度を踏まえてどのような提供方法が適切かもっと考えなければならないし、利用者側も長期予報の利用については、ある程度長い期間の利用を前提として評価する必要があるでしょう。中長期予報は、もっと多くの産業分野で活用による効果が期待できる情報です。

季節外れの冷やし中華を食べながら上述のようなことを考え、一気象予報士として何ができるか考えねば、と背筋をピンとした3月某日でありました。