春にストレスや体調不良が増える理由とは?春の気象と健康の因果関係を解説。

自然界が生命の白い息吹をあげ、光り輝く春。

春休みが近づいてくると、気持ちがほころび、晴れ空の下に意識を向けたくなりますよね。
新生活を目の前にして、心身の切り替えやリフレッシュを図ろうとする方も多いでしょう。

一方、春は何だか気分が落ち込んで、ストレスばかりがつきまとう。
特に春休み中は、お花見などのシーズン・イベントや新学期前の悩みが重なって、体調が崩れやすい。
理由ははっきりしないものの、そんな辛さの方が際立つ辛い季節に感じている方も少なくなさそうです。

今日は、「春に起こる心身の不調は気象が引き金になっている」。
そんなテーマでお話しながら、セルフケアに役立つ「健康天気予報」についても取り上げます。

天気と健康の関係性とは
古くから、気象と健康の間には密接な繋がりがあると考えられてきました。
特に、日本は四季の移り変わりがあり、季節特有の現象が数多く見られる国です。
季節と病の関係は、東洋医学思想をはじめ、「生気象学」と呼ばれる近年の研究が明らかにしつつあります。
例えば、季節の変わり目に体調を崩しやすいのは、気圧や気温、湿度の変化が顕著となり、体のリズムが乱れることが原因です。
また風の変化や光の強弱、近年の異常気象なども、不調やストレスを引き起こす要因となります。
こうした季節や気象の変化によって発症する病は、それぞれ季節病・気象病と呼ばれます。
気象病とは、曇りや雨の日に持病が悪化することや、気圧や気温などが短時間で変化した結果、心身が受ける不調の総称です。
また、季節病は特定の季節に発症するのが特徴で、低温・乾燥などの大規模な気象現象によって引き起こされます。
中でも、北風と南風が入れ代わる春は、年間で最もこれらの病が多発する季節です。
新年度を迎える4月頃の気温は1ヶ月の間に5~10度も変化し、一気に真冬の寒さから初夏の陽気になることも珍しくありません。
天気が目まぐるしく変わる一方で、大気汚染が長期化する春は、心身に深刻な影響を与えることが懸念されます。

春に体調不良が増える原因
「春に3日の晴れなし」という言葉があるように、春の天気は日ごとに変わりやすいのが特徴です。
以下では、春の気象の特性に着目しながら、不調やストレスが増える理由についてご紹介します。

・猛威を振るう低気圧により持病が悪化
春は、他の季節に比べて低気圧が発達しやすく、特に日本海を進む低気圧は日本各地に「春の嵐」をもたらします。強い南風が吹いて急に暖かくなった後は、すぐに寒気が南下して寒の戻りとなるのが通例です。この間に気温が10度前後変化することもあり、関節痛やリウマチのほか、痛風などの多くの持病を悪化させます。気温が急変すると、皮膚表面や抹消の血管が収縮し、血流が悪くなって関節や炎症部分を圧迫するためです。また、低気圧の通過により気圧が下がると、体内の圧力は相対的に高くなります。このことが、血管の拡大や組織への圧迫などを引き起こし、さまざまな痛みや不調の元になるのです。

・菜種梅雨による日照不足で「春うつ」に
3月から4月にかけては、「菜種梅雨」と呼ばれる雨の降りやすいシーズンがあります。前線が本州の南側に張り出すことで、太平洋側を中心に曇りや雨となり、冷たい北東の風が吹くのが特徴です。
もともと外部環境の変化が多い時期に、不安定な天気や日照不足が続くと、自律神経が乱れて疲れやだるさなどを感じやすくなります。
交感神経が興奮状態になると、「春うつ」やめまい、心拍数の増加、神経症、ストレスなどを引き起こすため、注意が必要になるのです。

・「春の厄介者」や紫外線に対する抵抗力が弱い
2月から5月中旬頃までは、スギ花粉やヒノキ花粉が大気中に大量に飛散します。
そのほか、黄砂やPM2.5などの細かな粒子が、強い西風に乗って飛来するのも春の特性です。
春から初夏にかけて、体は体内に溜め込んだエネルギーを外部に発散させ、免疫力が消耗していく時期にあたります。
この結果、春の厄介者に対する抵抗力が弱く、アレルギー症状や喘息発作を起こしやすくなるのです。
また、紫外線が夏に向けて強まる一方で、春は紫外線に対する皮膚の抵抗力が最も弱い時期となります。
紫外線が人体に及ぼす影響は大きく、肌へのダメージ以外にも、脳の疲労や精神的なストレスなどをもたらすことが分かっています。

 

体調管理に役立つ「健康天気予報」の活用法
春の体調不良や「春うつ」を防ぐためには、毎日の天気予報を生活に役立てましょう。
例えば、報道期間が発表する乾燥情報やインフルエンザ情報、花粉情報などの「健康天気予報」を参考にしてください。
そのほかにも、以下のような気象条件を事前に把握した上で、体調管理を行うことが大切です。

・発達した低気圧の接近と通過により、気圧が大きく下がる
・くもりや雨が長続きし、日照不足となる
・湿度が50%以下となる
・前日との気温差が大きくなる
・強風、落雷などの激しい現象が起こる

これらの情報を得るためには、気象庁のホームページで予想天気図や週間天気予報などを調べるようにしてください。
また、詳しい天気や気温の推移を調べる場合は、「TNQL(テンキュール)」の活用もおすすめです。

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